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Maria
第2章 希望の祈り
『父も母も厳しくて…。
何だかたまに…
誰かに愛されたくなるんです。』
彼女は切なそうに眉を下げ
持って行き場のない感情を
発散する術を探しているようだった。
『厳しさも愛情なんじゃないか?』
わかったような事を彼女に言う。
『…分かってます。…けど
この家にいると、とても息苦しいんです。』
彼女は涙を溜めた大きな目で俺を見る。
『…そうか…なら一度家を出てみるのも
いい経験になるかも知れないね。』
『家を…出る?』
『適当な男じゃなくて、
ボーイフレンドに住まわせてもらうとか』
『…ボーイフレンドなんて…。
ジャックさんの家はダメですか!?』
彼女はいい案だとばかりに俺に言う。