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Maria
第2章 希望の祈り
『デボラです。』
『いい名前だね。俺は…』
『ジャック』
『…どうして』
『さっき髭の生えた方がそう呼んでたから』
『あぁ…そうか』
俺達は笑いながらお茶を楽しんだ。
『ご両親は今は仕事中?』
『はい。父は医者で母がナースです。』
随分ご立派なご家庭…。
『そういえばさっき
俺に何を言おうとしたの?』
『…あぁ…。』
彼女は少し考え込み静かに口を開いた。
『随分前ですけど貴方に買われたんです。』
『…。…え?』
『パブの近くで…。』
『パブ…。もしかして…』
『そのもしかしてだと思います。』
彼女は嬉しそうに笑ってみせた。
『…何故あんな事を?』
買春しておきながら聞いてしまった。