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セイドレイ【完結】
第25章 暗転

不幸中の幸い、か──慎二の大きな背中によって、壁際に立つ亜美の姿はほかの乗客からは死角となっていた。

駅を出発してから、数分後のこと──。

「──ンッ…!?」

下半身に異変を感じた亜美は、思わず声が漏れそうになるのをなんとかこらえた。
どうやら、慎二が亜美のコートの下に手を忍ばせ、膣口を指でいじくりはじめたのである。

混雑した車内であっても、慎二にはお構いなしなのであろう。
1本、2本…と、膣内を乱雑に掻き回す慎二の指。
亜美は小さくカラダをヒクつかせては、慎二の胸に両手を預けていた。


(アッ…だめっ…これ以上されたらっ…私っ──)


「──ンッ…!」

亜美は小さくオーガズムを迎えてしまう。
こんな公衆の面前で、人目もはばからずイカされてしまったのだ。


(そんな…私…電車の中なのにっ──)


しかし、そんなものはほんの序の口に過ぎない。
次に下半身を襲った違和感──それは、指ではなかった。


(うそっ…!?まさかっ…ここでっ…??)


そのまさか、である。
亜美の膣口付近をさまよう感触は、紛うことなき男性器のもの。

なんと慎二は満員電車の中で、膣への挿入を試みたのである。

なかなかその入口に辿り着けない慎二の亀頭は、亜美の大陰唇をなぞり、右往左往する。
しかし次の瞬間──カーブに差し掛かった車両が大きく揺れた反動で、ついに慎二の肉棒がその入口を捕らえた。


(イヤッ…ダメッ──)


ニュル、っとした亀頭の感触。
十分に濡れそぼった亜美の膣は、いとも簡単にそれを飲み込んだ。

いつもであれば早速身勝手なピストンがはじまるのだが──満員の車内ではさすがの慎二もそれはできない。

膣内の中途半端な位置で、ただ停滞するだけの肉棒。
しかし、それがかえって亜美には焦らされているように感じられたのである。


(アンッ…そこっ…ダメッ──)


慎二は少しずつ腰を動かしはじめた。
いつものような大袈裟な動きではなく、前へ前へ、膣内に押し込むようなその動きが、不自然な体勢も相まって亜美の未開のスポットを刺激してしまう。

興奮によって汗ばみはじめた慎二が、この混雑した空間の不快指数をさらに上昇させていた。

しかしそれさえも、亜美にとっては快楽の前ぶれを予感させるスパイスとして機能してしまうのであった。


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