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セイドレイ【完結】
第28章 功罪
その頃、新堂の所有するマンションでは、客の男が椅子に腰掛け全裸でタバコを吹かしながら、亜美に肉棒を咥えさせていた。

「……亜美ちゃん、なんか大変なことになっちゃってるみたいだねぇ。一応さ、俺が亜美ちゃんを捜索することになってるんだってさ…へへっ、ウケるよなぁ?今ここでチンポしゃぶってんのに」

この男こそ、警視庁公安部のエリート、酒井学(40)。
少し前に新堂から会員にならないかとの誘いを受け、後は年会費を入金するだけの状態だった為、亜美に会うのは今日が初めてだった。

何故今日、この男がこの部屋に呼ばれたのか。
これは偶然では無かった。

亜美を監禁することに成功した新堂は、万が一、雅彦が新堂を介さずに亜美の捜索を警察に届け出た場合等を想定して、それをどうにか揉み消してもらう為、酒井にコンタクトを取ったのだ。

酒井はその見返りとして、永続的に『無料』でこのサービスを利用できる権利を得た。

その代わり、今後も亜美が警察沙汰になることが発生した場合、その全ての対処をすること。
そして、他の会員達に何かトラブルがあった場合も、社会的な揉み消しや隠蔽を酒井が図ることになった。

つまり、酒井は『会員』ではなく、実質的に新堂と同じこのビジネスの『運営側』に回ったということだ。

酒井は亜美を無料で抱けるだけでなく、収益の一部を受け取ることも約束されていた。

雅彦というパートナーに見切りをつけた新堂が次に選んだのは、警視庁公安部というこれ以上無い強力な肩書きを持った男だったのだ。

幸い、雅彦は新堂に助けを求めた為、今のところ酒井の出る幕は無かった。

しかしこの男が登場したことで、亜美はもうこの社会からも守られないという絶望的な状況になった。

柔道や格闘技等で鍛え上げられた酒井のカラダは、若い頃に比べ筋肉の上に脂肪が乗ってきたものの、体育教師である本山を凌駕する程、屈強な肉体の持ち主だった。

185センチはあるかという身長のせいで、元々小柄な亜美が更に小さく見える。

そして今、亜美に咥えさせている酒井の肉棒は、これまで亜美が相手にしてきた幾多の男のそれよりも、太く、長く、大きいものだった。

その大きさは、喉奥まで咥え混んでもその付け根に到達しない程で、小さな亜美の口には到底収まりきるサイズでは無い。
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