この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あらがわない夜を、あなたと
第5章 最初から夜だったわけではない
「倉持さん、アリちゃんの横が空いてるんで、そこ座ってください」
蟻須賀という名字の珍しさも手伝って、みなみはたいていの場で、気づけばアリちゃんというニックネームを付与されている。
たぶん、このメンツのなかで、アリちゃんの本名が、蟻須賀みなみであるということを覚えているものは少ないだろう。
一通りの名刺交換を終え、倉持がみなみの隣に着席する頃、ちょうど追加の生ビールが運ばれてきて、この日何度目かの乾杯となる。
すでに出来上がっているメンツも多く、それに比例して、乾杯の音頭も大きくなる。
「蟻須賀さん…で合ってますか?」
引き続きの歓談が始まったタイミングで、倉持がみなみの名刺を手に、尋ねてきた。
人当たりのよい印象を抱かせる顔だな。けれども…。
蟻須賀という名字の珍しさも手伝って、みなみはたいていの場で、気づけばアリちゃんというニックネームを付与されている。
たぶん、このメンツのなかで、アリちゃんの本名が、蟻須賀みなみであるということを覚えているものは少ないだろう。
一通りの名刺交換を終え、倉持がみなみの隣に着席する頃、ちょうど追加の生ビールが運ばれてきて、この日何度目かの乾杯となる。
すでに出来上がっているメンツも多く、それに比例して、乾杯の音頭も大きくなる。
「蟻須賀さん…で合ってますか?」
引き続きの歓談が始まったタイミングで、倉持がみなみの名刺を手に、尋ねてきた。
人当たりのよい印象を抱かせる顔だな。けれども…。