この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あらがわない夜を、あなたと
第5章 最初から夜だったわけではない
隣に座るリムフレームの男を眺めながらとっさにそんなことを思った。
「そうです、それで合ってます! 倉持さんは下のお名前、かくと読んだらいいんですか、いたると読んだらいいんですか??」
「あ、それ毎回聞かれるんですよね。いたると読みます」
「結構珍しいって言われませんか? いいですよね、こういう読み方の名前!」
「いやー、そうですね。書店さんに伺ったときに、会話のきっかけになるんで助かってますよ」
人当たりのよい顔は、さらに口角を上げて笑う。
その瞳の奥の冷たさを秘すように。
「そうです、それで合ってます! 倉持さんは下のお名前、かくと読んだらいいんですか、いたると読んだらいいんですか??」
「あ、それ毎回聞かれるんですよね。いたると読みます」
「結構珍しいって言われませんか? いいですよね、こういう読み方の名前!」
「いやー、そうですね。書店さんに伺ったときに、会話のきっかけになるんで助かってますよ」
人当たりのよい顔は、さらに口角を上げて笑う。
その瞳の奥の冷たさを秘すように。