この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕と彼のイルミネーション
第3章  不協和音


 真琴に落ち込む事があったのが分かるかのように、龍も拓海も何も訊かないまま。
 龍はフライパンで何か炒め、皿に盛った物と取り皿をカウンターへ置く。
「サービス。他の客には内緒だぞ」
 拓海がそれを、真琴の前へ出した。
「ありがとう……」
 真琴は箸を持ったが、食べずにそのまま箸を置く。
「瑞希、看板出して来いよ。コンセント、差すんだぞ」
 拓海に言われ、返事をしてからカウンターを出た。
 看板は結構重いが、何とか外へ出す。入口横の下にあったコンセントに差し込むと、ネオンが光り出した。
 見上げると、店全体のネオンが点く。中でスイッチを入れたんだろう。
 暮れ始めた街で、それが凄く綺麗に見える。
「始まったの?」
 三人連れに訊かれて頷いた。
 ドアを開けるのを見て、「いらっしゃいませー」と中に聞こえるように言う。僕も後から入り、カウンターの中へ。
「いらっしゃいませー」
 言いながら、龍がすぐにボトルを出す。
「お前、もう行けるよな?」
「う、うん……」
 嫌じゃないが、緊張する。
 何故か拓海は、真琴の隣へ座ったまま。土曜日は、動く拓海の後を真琴が追いかけていたのに。
 不思議だと思いながらも、カウンターの隅にある保温器からおしぼりを三つ出して席へ向かった。
「いらっしゃいませ」
「新人だよね? 名前は?」
 暫くは、この質問が続きそうだ。
 龍が用意してくれたボトルなどを運び、自己紹介をしながら水割りを作る。
 カウンターへ戻ろうとしたら、龍に席に着くように言われた。
 頭を下げてから、空いている椅子に座る。
 質問が多かったが、話すのは楽しかった。
「いらっしゃいませー」
 龍と拓海の声が聞こえ、僕も言ってからおしぼりを取りに行って出す。
 新しい客にまた自己紹介しながら水割りを作ると、すぐに次の客。
 今まで、こんな事を二人でやっていたんだろう。まだ慣れないせいだが、忙しすぎる。
 カウンターにも客が座るようになると、拓海がカウンタ―へ入った。龍は席を周り、接客をしている。
 龍に指示され、僕も別の席へ着いた。


/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ