この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕と彼のイルミネーション
第4章  訪問者


「メシ、持ってくるな」
「うんっ!」
 真琴が嬉しそうにソファーへ座ったから、その隣に座る。
 向かいは、何となく龍の指定席。真琴も知っているんだろうか。
 サラダやスクランブルエッグが、取り皿と一緒に大皿で運ばれてくる。その後大量のトースト。
「美味そうっ。いただきまーす」
 真琴はサラダを取り、すぐに食べ始める。その間に、龍はジュースとグラスを運んで座った。
「龍。空いてる部屋、オレにも貸してよ」
「はあ? マコちゃんには、立派な家があんだろ?」
 三つのグラスにジュースを注いだ龍が、顔をしかめる。
「やっぱダメか。じゃあ、たまに泊まりに来るから。瑞希、よろしくな」
「何で僕? 龍と寝ればいいのに……」
 本心を言った途端、二人に見つめられた。
「瑞希。もしかして、何にも解って無いの?」
「え?」
 真琴が皿を置いて、僕の方を向く。
「知らないで、この街で働いてんの?」
 ここが、男同士の街だとは知っている。それだけを頼りに、僕は北海道から上京して来た。
「まさか。そんな事、ねえよな?」
 龍まで、サラダを取り分ける手を止めて疑っている。
「し、知ってるよ。それくらい……」
「じゃあ、オレと瑞希が寝た方がいいじゃん? 涼介にも、ちゃんと言えるし」
 だから、その意味が分からない。
 小柄だからというなら、性癖は関係ないはず。それに、涼介に言えるというのも気になった。
 僕が見る時、よく一緒にいる。でも店で真琴は拓海を追い回し、外で抱き合っていた。
 涼介と真琴の関係も謎だ。
「なんかまだ、はっきりしない顔してんなあ?」
「えっ? 知ってるだけで、瑞樹って、ストレートなの?」
「ストレート……?」
 真っ直ぐ。
 一番に浮かんだのは、そんな意味。
「まさか、お前。本当に、ストレートなのか?」
 龍も驚いている。
 田舎にいた時、自室でこっそり見ていたゲイサイトを思い出す。
 パソコンは僕専用だったが、閲覧履歴はすぐに消していた。万が一家族に見つかり、性癖がバレるのが怖かったから。
「ネコだよね?」
 真琴に訊かれ、何も言えなかった。
 用語や内容は知っていても、自分がどちらかなんてわからない。同性が好きという自覚はあったが、経験は無かった。


/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ