この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕と彼のイルミネーション
第4章  訪問者


 ネコは女性役。タチが男性役だとは知っている。でもそれは、セックス中での事。
 日常生活では関係ないし、特に一般人には、普通の男に見えるはず。
「ビックリしたー。瑞希がタチには見えないもんなー」
 笑っているが、真琴だってそうだろう。
 つまり。僕と真琴が一緒に寝るのは、普通の女の子同士が寝るのと同じ。そうなると、龍と僕は男女で同居している意味になる。
 昼だが、寝起きの食事での会話とは思えない。
「じゃあいいじゃん。また一緒に寝よっ」
 真琴はご機嫌だが、僕は複雑な気持ち。
 男性に抱かれたいと、具体的に思ってはいなかった。
 龍のような容姿に憧れたのは、自分がそうなりたかったから。“可愛い”より、“格好いい”と言われてみたかったせいもある。
 真琴は小柄で童顔でも、綺麗な顔立ちの美少年。中世的にも感じるが、どちらかと言えば格好いい。
「どした? 瑞希。ちゃんと喰わないと、今日も仕事だぞ」
 バターを塗ったトーストを、取り皿へ置かれた。
 性癖は解っていても、自分がどこに属するか解らないのが不安。龍に抱かれてしまったが、僕にあんな事が出来るだろうか。
「瑞希? どうしたの?」
「あ、うん」
 トーストに噛り付いた。
「あっ、わりい」
 龍のスマホが鳴り、立ち上がりながら「はい」と言っている。
「ああ。ここにいるぞ。安心しろ。昨夜は、瑞希と一緒に寝たから」
 龍が座り直して真琴を見る。
「今、三人でメシ喰ってる。ああ。ホラ、マコちゃん。涼介」
 スマホを差し出され、苦い顔で真琴が受け取った。
「解ってるよっ。ん。ん……。解った」
 短い会話だけで終わったらしく、通話を切って龍に返す。
「涼介が、誤魔化しといてくれたって。大学なんて、行きたくなかったのに」
「ちゃんと卒業しろよ。他に目的もねえんだろ?」
「龍だって、辞めたじゃん……」
 龍の過去を初めて聞いた。
「行ったのは二年だけだし、俺は店をやりたかったから。金貯める為に、働いてたんだよ」
 四年と言っていたから、龍が“フェリータ”を開いたのは21歳の時。
 続けてこられたのは、人柄のお蔭もあるだろう。
 でも、大学を中退してまで店をやりたかった理由は気になる。


/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ