この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕と彼のイルミネーション
第5章  涼介



 マンションへ帰ると、龍はまた呑み始める。
 人は何故、酒を呑むのだろう。
 仲間と楽しむ為もあるだろうが、龍はいつも1人。それで、楽しいのだろうか。
 まだ呑めない僕には解らない。
「龍。哀しい?」
 何となく訊いてしまった。
「は? 何だよ。いきなり……」
「ううん。おやすみ……」
「ああ。おやすみ」
 涼介はもう寝ただろうか。それとも、勉強でもしているのか。
 3年近くも想い続けた相手を、すぐに忘れられるはずはない。キッパリ断られたとしても、想いは残るだろう。
 ベッドに入ったが、中々寝付けない。
 その時、ノックの音。
 警戒しながら、ゆっくりとドアを開ける。
「涼介が、明日呑みに行こうってさ。今電話があったから、すぐ折り返すって言っといたけど」
「だって、仕事が……」
「店には、21時までに入ればいいよ。平日に混むの、それくらいからだし。涼介も、それでいいって」
 涼介と、ゆっくり話をしてみたいとは思っていた。真琴について。
「涼介さんと真琴さんの番号、教えて」
「個人情報だからなあ……」
「じゃあ、龍がかけてよ」
 頷く龍と一緒に、リビングへ行く。
 涼介に電話をしてもらって代わり、18時半に“麗(れい)”という店での約束をした。店の住所も聞き、スマホの番号も教え合う。
 次は真琴にかけてもらい、また同じ事をした。
「お前、なーに企んでんだ?」
「何でもないよ。おやすみ……」
 部屋に戻り、すぐベッドへ入る。
 いい人だと思うが、涼介と2人切りはまだ怖いのもあった。襲われる心配じゃなくて、僕からの会話が途切れそうで。
 客として呑み屋に行くのは初めて。
 でも涼介が誘う店なら、変な所ではないだろう。そう思いながら目を閉じた。



「瑞希クン!」
 “麗”の前で待っていると、涼介がタクシーから降りてくる。
「ごめん。待たせちゃった?」
「ううん。早く、来すぎたから……」
 店の看板はもう出ている。
 昼間龍に訊くと、この店はフェリータと1つ通りが違うだけだと言われた。店自体健全なのも聞いたから安心。
 涼介さんに着いて、店内へ入った。ウチの店と同じような造りだが、少しだけ広い。
「涼介、いらっしゃい。その子は?」
「瑞希です……」


/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ