この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕と彼のイルミネーション
第8章  困惑


 細長い部屋に、テーブル席が3組だけ。それも、椅子は2脚ずつ。
 それよりも驚いたのは、横のガラス張りの中。何人もの男が、椅子に座って話している。
 少年というような年齢から、青年まで。18歳未満に見える子もいた。
「広希(ひろき)くんは、いないの?」
「すみません。広希は休みなんです。そう言った子でしたら、他にもいるのでご覧ください。
 テーブルにある2冊の分厚いファイルを、掌(てのひら)で示される。
 周平が椅子に座ったから、僕も向かいへ座った。周平に渡されたファイルをめくって見る。
 1ページに1人ずつ、大きな顔写真とプロフィールが書かれていた。
 こういった、指名制の店なのだろうか。
 周平が、1つの項目を指差す。
 “特技”という欄には、フェラ、騎乗位と書いてあった。
「え……」
「好みの子がいないなあ。また来るよ」
「お待ちしております」
 店員に頭を下げられ、周平の後を着いて店を出る。
「解った?」
 ゆっくりと歩きながら訊かれた。
「何と、なく……」
「あそこは、呑み屋じゃないよ。男を買うだけの店。1人、2万から5万かな。
 あの書き方はそうだろう。
「多分、広希は辞めてる。そういう時、ああいう店は休みって言うんだよ」
「あの……。ヒロキって、誰ですか?」
 周平が、ミラージュに通うようには見えない。
「龍の、昔の恋人……」
 言葉が出なかった。
 過去でも現在でも、龍に恋人がいるのは構わない。でも、あんな店で働く子だなんて。
「これ以上は、龍から聞きなよ。俺が話す事じゃないから」
「はい……」
 龍は、今でもヒロキを探しているのだろう。だから客が“ミラージュ”と言った時、慌てていた。それなら、辻褄が合う。
「周平さん。その、ヒロキって人、僕に、似てますか……?」
「ん……。正直、パッと見はそっくりかな。涼介くんと店に来た時、一瞬驚いたくらいにね。でも、茶髪だったな。もう、2年近く前だけど……」
 龍の部屋にあった、写真の少年だ。間違いない。
 初めて僕に会った時の龍も、一瞬驚いた表情だった。
 店で働かせたのも、マンションに住まわせたのも、犯したのも。僕がヒロキに似ていたから。
 何となく、溜息が漏れた。


/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ