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僕と彼のイルミネーション
第9章 決心
「拓海と周平さんのマンションだよ。勿論、別室」
「え?」
「もう、3年以上一緒に住んでる。周平さんの店で呑みながら、お前の事を相談してたんだよ。好きになって、襲ったって……。その後、2人のマンションに泊めてもらった」
全て聞くと、全身の力が抜ける。僕が勝手に、空回りしていただけ。
「行くぞ……」
「ええっ」
龍に抱き上げられた。
「ど、どこに?」
「決まってんだろ。俺の部屋に……」
という事は……。
でも、もう良かった。龍は好きだと言ってくれた。こんな僕の事を。
「シャワー、浴びたい……」
「ああ……」
1度降ろしてもらい、パジャマと下着を持って浴室へ急いだ。
緊張しながら、龍の部屋へ入る。
龍もシャワーへ行き、誰もいない部屋。
僕は、積んである本の中からヒロキの写真を探し出した。
「龍……。これ……」
戻って来た龍へ差し出す。
「全部燃やしたと思ってたのに。お前、知ってたのか? この写真の事」
写真を見つけた経緯を正直に話すと、龍が笑い出す。そして写真を細かく破り、ゴミ箱へ捨てた。
「忘れてただけだよ。取っといたんじゃねえから。この写真を、気にしてたのか?」
「うん……」
「じゃ、瑞希は、俺が好きなんだよ」
いきなりベッドへ押し倒される。
「写真見て、ヤキモチ焼いたんだろ? あんなヤツに」
焼きもち。
そうかもしれない。
僕に似ていたから、代わりにされるのが嫌だと思った。それは逆に、代わりじゃなければいいという思い。
自分の気持ちにまで気付かないなんて、僕は本当にどうしようもない。
「瑞希……」
触れたキスが、段々と深くなっていく。
「ん、はぁっ……」
息を継いだ時、舌が挿いって来た。
こんな事も初めて。
「んんっ……」
絡んでくる舌に応えようとしたが、力が抜けそうになるくらい気持ち悦い。まだ、キスだけなのに。
「はぁっ……」
唇を軽くしゃぶってから、舌が耳元を刺激する。
「んっ……」
「声出せよ。ガマンしないで……」
囁かれ、ピクンと震えた。
男のクセに喘ぐなんて恥ずかしかったが、龍の言葉は魔法のよう。緊張が解れ、2人だけの世界へ入って行く。