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僕と彼のイルミネーション
第9章  決心


「んんっ、あっ」
「瑞希……」
 耳元をくすぐっていた舌が、首すじを辿る。
 痺れるような感覚に、ギュと目を閉じた。
 無理矢理じゃない。同意しての、初めてのセックス。過去も含め、龍の全てを受け入れようと決心していた。
「はぁっ」
 乳首をしゃぶられ、シーツを掴む。そんな僕の手を、龍の背中へと回された。
 逞しいと憧れていた肉体。それにしがみつくようにして、龍からの愛撫を受ける。
「ああっ」
 大きな彼の手が、僕の性器を擦り始めた。龍の硬くなった塊も、僕の脚に触れている。
「やっ、はあっ」
 これが初めて。愛情を確認し合ってから、初めてのセックス。
「龍っ、あぁっ」
「イきそうか?」
 そう言うと、龍が性器を口に含む。
 舌を使われ、自然と手に力が入ってしまう。
「やあっ、んんっ、はぁっ……」
 また、彼の口内へ出してしまった。その瞬間、力が抜けて腕がシーツへ落ちた。
「んっ……」
 少しボーっとする中、ゴクリと飲み込む音が聞こえる。
 気付くと、いつの間にかアナルにジェルが塗り込まれていた。
 それさえも、以前とは違う感覚。
 嫌だった事が、今は快感の前触れだと思えた。
「んんっ……」
 入口が、徐々に解されていく。それさえも、嫌だとは思わない。
 龍の全てが欲しかった。
 身も心も。
 そして僕も、全て龍のものになりたいと思えた。
 塊にもジェルを塗ると、入口へ当てられる。それだけで、全身が熱くなるよう。
「いいか?」
 確認する龍に、頷いて見せる。
「あっ……」
 入口を押し広げ、逞しい塊が入ってきた。
 まだ少し痛みはあるが、それよりも嬉しさの方が大きい。
 龍に体を犯されたと思っていたが、いつの間にか心まで奪われてしまっていた。それは、初めての相手だからじゃない。
 人としても、同性としても龍を好きになっていた。
「ああっ」
 代わりなら呼んでと言ったのは、ただの強がり。自立だって、1人で生活すれば自立したという意味じゃない。そんな簡単な事も、やっと解った。
「はあっ、んんっ」
 壁を擦りながら、龍が挿いってくる。その熱が、全身へ広がって行く。
「あんっ、ああっ」
 グラインドが始まると、腰に腕を回した。しがみつくように、放したくないように。


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