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僕と彼のイルミネーション
第9章  決心


「瑞希っ……」
 龍の呼吸も荒くなっている。それにも煽られ、自然と腰が動いてしまう。
「はあんっ、んんっ」
 こんな風に喘ぐ恥ずかしさも、もう頭に無い。全身が熱くて、どこかへ放り出されそうで、彼の腰へ回した指先にまで力が入る。
「やあっ」
 抱き上げられ、僕が龍の上に乗る体勢にさせられた。
 両膝を立てられて、乳首を弄られる。
「瑞希っ……。動けよっ……」
 溜息混じりの声。
 僕が腰を動かしていたのが、解ったのだろう。でも自分で動くなんて、まだ恥ずかしい。
「やっ、はぁっ……」
 そのままでいると、僕の腰を持った龍が突き上げてくる。
「あんっ、ああっ」
 さっきまでとは擦られる場所が変わり、深くまで挿いっているようだった。
 立てた膝を開いているから、龍には僕の勃起した性器が丸見え。それも恥ずかしい。
 腰の手に促されるように、僕もゆっくりと上下を始めた。
 ただ挿入されるだけとは違う快感。自分で動いている恥ずかしさも、それを煽って行く。
「龍っ、んんっ、やぁっ」
「瑞希っ……。いいぞっ。俺もっ……」
 突き上げが速くなり、誘われるように上下する。
「あんっ、んっ、ああっ、龍っ! んんっ……」
「瑞希っ……」
 彼もほぼ同時にイったよう。
 放出する直前に、僕の性器の先を軽く押さえてくれていた。そのまま出せば、自分の精液まみれになっていただろう。それでも構わなかったが。
 力が抜けて、龍に倒れ込んだ。
 龍は僕の精液をティッシュで拭いてから、両手で抱きしめてくれる。
 そのまま、ゆっくりとシーツへ降ろされた。
 ちゃんとした、初めてのセックス。
 夢中になってしまったが、終わった今はまた恥ずかしい。
 龍から受け取ったティッシュで、入口を押さえた。
 彼の精液が、流れ出てくる。それも嫌じゃないが、やはり恥ずかしい。
「今日は、店休むか?」
「え……」
「もう、朝だぞ」
 カーテンの隙間からは、朝日が差し込んでいる。
「ううん。ちゃんと、出る……」
「大丈夫か?」
「うん」
 今日店を休んだら、拓海にセックスをしていたと勘繰られるだろう。もしかしたら、真琴と涼介だって様子を見に来るかもしれない。そうなると、明日からも行きづらくなってしまう。


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