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僕と彼のイルミネーション
第9章 決心
「じゃあ、シャワー浴びて、ギリギリまで寝るか」
「うん……」
早いからと龍に言われ、一緒にシャワーを浴びた。
浴室内は広いからいいが、やはり恥ずかしい。セックスで全身を見られていたのに、隠し気味に体を洗った。
先に部屋へ戻った龍が、ベッドシーツを替えている。使った物は、取り敢えずと部屋の隅に丸めておく。
「汗とザーメンの上で寝たくないだろ?」
返す言葉が見つからなかった。
本当の事だが、デリカシーが無さ過ぎる。
甘い恋人同士なんて、龍には無理なのかもしれない。
でも僕は、そんな彼を好きになった。
言葉遣いも乱暴で、適当な時もある。その上酒呑み。それでも、店をきちんと切り盛りしていていて優しい。
1番は、龍が僕を見つけてくれた事。
写真を見てしまった時は気分が悪かったが、少しだけヒロキに感謝したい。僕がヒロキに似ていたから、今があるようなものだ。
想いの行き違い。
真琴と涼介の世話を焼こうとしていたのに、自分の気持ちに気付かなかったなんて。
「寝るぞー。来いよ」
目覚ましをかけ直した龍に腕を引かれ、ケットの中で抱きしめられた。
「もう、放さねえからな……」
「ん……」
彼の胸に顔を着ける。
僕の本当の居場所。
それは仕事や住む所じゃなくて、龍の傍。
僕も彼の背中へ腕を回した。
やっと気付いた、手放してはいけない“居場所”。
その温もりに包まれながら、目を閉じた。