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僕と彼のイルミネーション
第10章  僕と彼


 まさか本物の“ヒロキ”でもないだろう。
 周平が、3年以上も同棲している拓海を裏切るとは思えない。
「それに加えて、あの時俺は、絶対お前に嫌われてる、って思いもあったし」
「龍。僕は絶対にそんな所……。あっ……」
「どした?」
 眉を寄せた龍が、僕を見つめる。
「もしかして、ラブホ、街って、変わった店の方にある……?」
「変わった店?」
 龍に、周平と行った、カーテンを閉められた店について話した。周平に、内緒だと言われた事も一緒に。
「お前、そんなトコ行ったのかあ?」
「だって……。周平さんに、着いて行っただけだし……。安心してたから……」
「バカヤロー……。鍵閉めてこいよ。裏口も」
 龍を怒らせてしまったと思い、言う通りにした。
「前に立てよ……」
「うん……」
 テーブルからズレて座った龍の前に立つ。
「いい人だと思ったら、どこでもホイホイ着いてくのかよ」
 龍の溜息。
 いい人でも、客なら1人で着いて行かない。周平と龍は仲が良さそうだったから、相談しに行っただけ。
「座れよ。膝着いて」
 言われた通りにすると、龍がジーンズのジッパーを降ろす。
「えっ?」
「オシオキだよ」
 出した性器に顔を近付けられる。
「俺がいつもやってんだろ?」
 誰もいないといっても、ここは店。マンションでも恥ずかしいのに。
 根元を両手で持って、ゆっくりと口に含む。やり方なんて解らないが、性器に舌を添えて上下した。
「んんっ……」
「瑞希っ……」
 髪を撫でるように軽く掴まれ、抜き挿しを速くするように促される。
 初めてで、戸惑いと恥ずかしさはあった。でも、どうされれば悦いのは同性として大体解る。
「はぁっ……」
 舌を動かしながら、出来るだけ奥まで咥えて擦り上げた。
 最初よりも、口内で大きくなった気がする。僕で気持ち悦くなってくれたのなら嬉しい。
 龍の溜息が聞こえると、益々煽られてしまう。店でこんな事をしているというのもそう。
「瑞希っ…………」
 口内に熱い物が迸る。
 口中に広がり、驚いてすぐに龍から離れてしまった。


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