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舞い降りた天使
第16章 空港

真穂のその言葉から
俺たちの
怒涛の数時間が始まった


俺は旦那を説得するつもりだったけど
旦那は話をして聞いてくれる相手じゃないと言う真穂の意思を尊重し
俺たちは
何も知らせず沖縄を離れることにした


急いでホテルから出ると
真穂はタクシーに乗り
事務所から財布だけを持ち出すと
さっちゃんを連れて空港へと向かう

俺は
三人分の飛行機の予約を入れ
レンタカーを返して空港へ


そして
空港で落ち合い
最終便に乗り込む約束だ


ただし


さっちゃんが行きたくないと言えば
その計画は全て無かったことにする

それが
俺たちの
一番重要な決め事


不安はある

こんなことをしても
うまくいくのかどうか分からないし
姉ちゃんに怒鳴られるのは間違いない

真穂の旦那にバレた時のことを考えたら
正直身震いするほどめちゃくちゃ怖い

二人を余裕で支えていけるほど
今の俺に経済力はないし
さっちゃんを
学校へ通わせるには
どうすればいいんだよ…


考えれば考えるほど
不安ばかりが頭をよぎり
真穂より先に着いた空港で
俺は時が過ぎるのも忘れて
突っ立っていた

でも

その全ての不安を
蹴散らしてくれたのは


「タクニーーー!」


天使のような笑顔で
手を振りながら走って来た
さっちゃんだった



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