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最後の恋に花束を
第8章 大学最後の冬

彼は、彼女のグラスに少しだけ焼酎を注ぐ。
そして彼女は躊躇することなく、それを飲み干した。

「 うわ、サキ、すごいね 」

『 ん〜、ふふっ 』

私の言葉にニコリと笑う彼女。
少し酔いが回っているように見えた。


『 じゃあ次! 』


そう言って再び始まるゲーム。

次に負けたのは私だった。


「 えー… 本当に飲むんですか… 」

『 大丈夫大丈夫!飲んでみな? 』


得意げに彼はそう言うと、私のグラスに焼酎を注ぐ。その焼酎を睨みながら私はグラスを手に取る。


「 … いただきます 」


息を止めて、ぐっと一気に飲み込む。
飲み込んでから プハッ と息を吐くと、喉が一気に熱くなり、喉の奥から苦いアルコールの味が押し寄せてくる。


「 … んわ、まずいー… 」


慌ててお通しを口に含む。
そして改めて焼酎は苦手だ…と溜息を吐く。
彼とサキは、私の反応を楽しむように見ていた。


そしてそのままゲームは繰り返された。




何度も負け、何度も罰ゲームを受ける。サキも、ナオトも何度も焼酎を一気飲みする。そんな中お酒の酔いが回り、頬が自然と緩む頃、言い出せそうなタイミングがやってくる。


… けれどそれを彼が遮断しては、
再びゲームが始まっていた。



酔いがまわる …ー

身体にアルコールが染み込んでいく …ー

視界もまわっていく …ー




おぼつかない手元のせいで
ゲームに負けては焼酎を一気に飲み込む




そして私の記憶は飛んだ …ー

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