この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater16.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
最後の恋に花束を
第8章 大学最後の冬
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
それから数時間後、私は自宅でスマホの画面を眺めていた。アプリを開いたその画面には " 青山 遙 " との個人的なやりとりが映し出されている。
最新と表示されるそれはもう、三ヶ月も前のやりとりだった。
その画面を眺めていると、視界が歪む。
昨日摂取したアルコールのせいで、頭痛と吐き気が酷い。眩暈も酷く、目を閉じていても世界が回っているようだ。
やる気も起きず、外の空気は寒く、布団に潜った。
今朝、この一人暮らしする家へと一人で帰ってきた私は、もう何があったか十分な程に理解していた。
昨晩三人で飲んだ後、お酒に飲まれた私は彼にホテルへと連れていかれ…ー
彼と、身体の関係を持ってしまった。
何も知らない、彼と。
冷え込んでいる朝方に帰ってきた私はすぐにシャワーを浴びた。
無かったことにするかのように…
けれど、どれだけ石鹸で強く洗おうと、身体の気持ち悪さは拭えなかった…ー
現実から目を背けたくなった私はキュッと目を瞑る。布団にくるまり、自分の身体を無意識に摩っていた。
その瞬間…ー
ブーッとスマホが鳴った。
画面を開くと…
愛おしく… 恋しい
彼の名前が表示されている。
「 … もしもし? 」
『 あ、可奈? 』
その彼の声が電話越しに私の身体へ響く …ー
会いたくて、堪らなかった …
" 遙 " の声が …ー
![](/image/skin/separater16.gif)
![](/image/skin/separater16.gif)