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最後の恋に花束を
第3章 高校二年の秋
先生からすんなり許可をもらった私は、早速翌日の放課後に書道室に向かった。
( あれ、電気ついてる… )
普段、部活動の日以外は鍵も閉められているのに、職員室に書道室の鍵は返却されておらず、変だな… と思いながらも来た。
キィッ …
誰か居るのかと思い、ゆっくりとドアを開ける。普段であれば前も見ない勢いでドアを開けるが、いつもと違う雰囲気の書道室に少しだけ緊張していた。
『 先輩!お疲れ様です!』
ドアを開けるとそこには見慣れた顔の部員、ユウがいた。
「 あれ?どうしたの?ユウ君 」
『 俺も自主練しに来ました!』
ニコニコと笑う彼。少しヤンチャな部員かと思っていたが、自主練と聞いて関心した。
「 じゃあ…頑張って書きましょう!」
珍しく先輩らしい言葉をかける。すると、ユウは自分の席に戻り黙々と文字を書き始める。
私はパフォーマンス練習の為いつも通り着替え、支度を始める。もう慣れたもので、準備にあまり時間は取られないでいた。
練習をはじめて、1時間が経った頃。
「 は〜 つかれた。私、ちょっと休憩してくるね 」
『 わかりましたー… 』
集中して文字を書いているユウに、私は一声掛けると準備室へ入った。体全体を使って書く文字は、集中力も体力もかなり消費するため私は準備室で休憩することがよくあった。
この日も、部活終了時間まで40分だったが、20分だけ仮眠を取ろうと準備室へ入ると畳の休憩スペースへ身体を横にした。