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最後の恋に花束を
第3章 高校二年の秋
「 なんであんなこと言ったの 」
バスの中で隣に座るユウに声を掛ける。
『 すいません… 先輩困ってたから… 』
「 それとこれとは違うでしょう… 」
はぁっ… と小さく溜息を吐き瞼を閉じる。すると、さっきの遙の表情が映る。あの表情が、離れない。閉じた瞼を再び開いた。
『 先輩、あの人とどういう関係なんですか 』
「 … どうって 」
その質問に言葉が詰まる。
『 友達とかじゃないですよね 』
「 と…友達よ。トモダチ。そうそう。」
『 何友達なんですか?』
「 な、何友達か… 」
突然の質問責めに困り、私は目を伏せた。そんな事、考えたこともなかった。共通点といえば、私の好きなカフェラテと…写真と…書道かな…なんて考える。
『 先輩、降りますよ 』
気が付けばバスは駅に到着していた。私は慌ててユウを追うようにバスから降りた。
『 先輩、ちょっといいですか 』
バスを降りたユウは、私の腕を取るとバス停横にある公園に入りベンチに腰掛ける。私も合わせて横へ座った。
「 んと… ユウ君、どうした?」
『 付き合ってください 』
突然に口を開いた彼は、私の手を握るとそう言った。少し頭を下げながら。