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エメラルドの鎮魂歌
第8章 エメラルドの鎮魂歌 〜終わりの序曲〜
…絶頂に達したばかりの瑞葉に、八雲は優しく命じる。
「…さあ、私の精を舐めてください…」
白い頬を伝い流れ落ちる男の精を、ゆっくりと紅い舌を伸ばしながら舐めとる。
「…美味しい…八雲の…」
素直に従う瑞葉に微笑みかけ、残りの牡液を指に絡ませ差し出す。
熱い滑らかな紅い舌が、従順に八雲の指を丹念に舐めるのを満足げに見下ろす。
「…さあ、全部舐めて…そうすればまた…貴方の中にこれを挿れて差し上げますよ…」

まだ些かの張りも失わない屹立した牡を瑞葉の紅い唇に押し当てる。
「…うれし…い…八雲…」
夢うつつの表情で、瑞葉は熱く硬い雄蕊を口に含む。
いまだ滴り落ちる牡蜜をまるで乳を欲しがる仔猫のように、紅い舌を絡め丹念に舐める。
「…おいしい…から…なかに…こんどは…なかに…して…」
丁寧に清めた牡から唇を離し、上目遣いで八雲を見上げる。
エメラルドの瞳には淫蕩な色が溢れていた。
八雲はその手を引き寄せ這わせると、腰だけを高々と掲げさせる。
…瑞葉が厭う獣の体位だ。
「…ああ…いや…」
髪を振り乱し抗う瑞葉の腰を強く掴み、一気に貫く。
「ああっ!い…や…んんっ…!」
叫び声は一瞬であった。
男に抱き慣らされ、牡に馴染んだ淫孔はすぐに男を受け入れ、締め付けた。
「…あ…あ…いい…んんっ…」
甘く掠れた喘ぎ声が漏れる。
八雲は痛いほどに兆している己れの牡を荒々しく突き入れる。
激しい律動を繰り返し、その桜色に染まった肩に噛み付く。
「…んんっ…!…はあ…っ」
「…さっき達かれたばかりなのにもうこんなに悦がられて…なんという淫らな身体だ…。
貴方は、抱いてもらえるのならだれでも良いのでしょう?」
蜂蜜色の髪が激しく振られ、涙に濡れたエメラルドの瞳が振り向く。
「ちが…う…お前だから…お前じゃなきゃ…感じない…」
「瑞葉様…!」
その顎を救い上げ、吐息ごと余すところなく唇を奪う。
「…愛している…瑞葉…!」
「…ああ…僕も…だ…」
愛の言葉と同時に、体内に再び熱い愛の飛沫を浴びせ掛けられる。
「…んんっ…!…ああ…っ…なか…あつ…い…!」
背中が美しい弧を描き、崩れ落ちる寸前に男が抱き止める。
…最後の一滴まで馴染ませながら、口づけを繰り返す。
「…瑞葉…貴方は…」

鼓膜に囁かれた言葉を理解する前に、瑞葉はゆるりと意識を手放し、甘く倦んだ愛の底なし沼へと沈んで行った…。




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