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エメラルドの鎮魂歌
第3章 禁断の愛の果実
「八雲!戻ってきてくれた…。
…もう遅いから…戻ってこないかと思った…」
瑞葉の部屋に戻ったのは、深夜を過ぎていた。

瑞葉はまだ起きていて、八雲が部屋の鍵を掛けるなり、抱きついてきた。

…伽羅の薫りが柔らかく纏わりつくのを愛おしげに、その薫りごと身体を抱き締める。
「瑞葉様。お待たせいたしました」
「…お前がこのまま、何処かへ行ってしまうのではないかと、そればかり考えていた。
…お前が居なくなったら、死んでしまおうと…そればかり…」
余程先ほどの薫子の命令が恐怖だったのだろう。
その身体は痛々しいほどに震えていた。

「私は何処にもまいりませんよ。
ずっと瑞葉様のお側におります」
瑞葉の水晶のような涙が溜まったエメラルド色の瞳が見開かれた。
「…じゃあ…!」
「はい。大奥様のお許しをいただきました。
私も瑞葉様の執事として、軽井沢に同行致します」
「良かった…良かった…!
お祖母様が許してくださったんだね…!」
安堵の涙が溢れ落ちる様を優しく見つめ、そっとその涙を拭う。

…真実は、知らなくていい。
瑞葉様は、美しいままに…。
悪濁は全て、私が引き受ける。
瑞葉様は、永遠に清らかなままに…。

涙を拭う男の手を握りしめ、瑞葉は頬に押し当てる。

「…八雲…。お願いがある…」
「何ですか?」
エメラルドの濡れた瞳が、八雲を熱く見つめた。
「…僕を…抱いて…。僕を…八雲のものにして…」
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