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エメラルドの鎮魂歌
第3章 禁断の愛の果実
「…瑞葉様⁈」
男の深い瑠璃色の瞳を、切なげに一途に見つめ返す。
「…今日、お祖母様に八雲から引き離されそうになって改めて分かった…。
僕が如何に八雲を愛しているか…。
お前なしには、生きてはいられないことも…。
だから、八雲にもっと愛されたい。
身も心も愛されたい。
…八雲を一番身近で感じたい…。
だから…」
大きな手が瑞葉の小さく美しく整った貌を捉える。
合わせた眼を離さないように、強く顎を掴まれた。

「後悔なさいませんか?」
「…後悔…?」
男の低音のベルベットのように耳障りの良い声が鼓膜に吹き込まれる。
「私と愛し合うということは、私に全てを委ねていただくことを意味するのですよ。
…申し上げておきますが、私は紳士ではありません。
今までのように貴方に優しさだけを与えるわけにはまいりません。
…貴方を私の好きなように変えさせていただきますよ。
…貴方の身体を例えようもなく淫らに変えてゆき…獣のように…私と愛し合うのですよ…。
そのお覚悟は、おありですか?」

深い瑠璃色の瞳が湿った淫靡な色香を漂わせ、瑞葉を見つめていた。
ぞくりとするような震えが背筋に走る。
…今まで見たことがない男の表情であった。
危険な…しかし、甘やかな…芥子のような魅惑の貌に、瑞葉は引き寄せられるように頷いた。

「…平気だ…。僕を…奪って…早く…」

次の瞬間、無言で男の力強い腕に抱き竦められ、噛み付くように唇を奪われた。
「…んんっ…は…ああ…んっ…」
息もできないような口づけの嵐ののち、男は熱い息吹とともに囁いた。
「…ベッドにまいりましょう…瑞葉様」

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