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女刑事 沢木麻衣子の性
第1章 最強の女刑事
リリリリーン♪

警視庁戸倉署生活安全課課長、沢木麻衣子のデスクに一本の電話が入った。

「はい、生活安全課・・八潮町交番?・・了解!」

麻衣子が受話器を置くと同時に部下の斎藤と石田が、デスクの前に駆け寄った。

「八潮町交番にストーカーの被害届!すぐ向かって!」

「はい」

「了解!」

二人は部屋を飛び出して行った。

麻衣子は椅子から立ち上がり、壁に貼ってある地図の前に立った。

生活安全課では連続レイプ魔を追っていた。

今も課員が総出で犯人の行方を追っている。

戸倉署管内ではここ2ヶ月で5件のレイプ事件が起きていたのだ。

必死の操作にも関わらず、犯人の手がかりはほとんどなかった。

犯人のやり口はこうだ。

目当ての女性をスタンガンで気絶させた後、車に乗せて連れ去り、レイプした後に再びスタンガンで気絶させ、連れ去った場所の近くに放置するという手口だった。

犯人は顔を見られないように目出し帽をかぶっており、行為時以外は被害者が気絶させられている為に手がかりがなかったのだ。


麻衣子はその冷たく冴えた美貌を曇らせ、一刻も早く犯人を逮捕すべく、その優秀な頭脳を働かせていた。

麻衣子は有名国立大学を優秀な成績で卒業した才女で、いわゆるキャリアだった。

若くして指揮官となり、現場で操作経験を重ね、数々の事件を解決してきた麻衣子は今や泣く子も黙る最強の女刑事と評されていた。

勿論、部下に指示を出すだけではない。

麻衣子自ら現場に飛んでいき、犯人と格闘したり、取り押さえた事も多々あった。

警察官になる前から習っていた空手は三段、警察官になってから始めた柔道と剣道はどちらも二段の腕前だった。


そんな麻衣子は、現在、警視庁戸倉署副署長兼生活安全課課長職を拝命していた。階級は警視。

警視といえば、小さな警察署なら署長職に任ぜられる階級だったから、それだけでも大変な出世なのだが、本来であれば麻衣子は更に一階級上の警視正に昇進していた筈だった。

だが、警視正に昇進すれば、それこそ本庁の参事官や理事官もしくは署長職を拝命する事になり、現場から離れなければならなくなる。

それが嫌だった麻衣子は自分から申し入れをし、昇進を見合わせてもらっているのだった。









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