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女刑事 沢木麻衣子の性
第3章 刑事と被害者
麻衣子は拉致された公園のベンチでハッと意識を取り戻したのだった。

時計を見ると夜の10時半だった。

犯人に拉致されてから8時間が過ぎていた。

辺りは真っ暗だった。

もし、痴漢がいれば、襲われかねない状況だ。

だが、麻衣子相手では痴漢も運が悪かったとしか言いようがなかったが・・

麻衣子はゆっくりとベンチから腰を上げた。

麻衣子はパンティを穿いていなかった。

凌辱された際に覆面男にパンティをハサミで切り刻まれてしまったのだった。


全身が痛かった。

体も気怠さに支配され、まるで自分の体ではないようだった。





「課長・・?」

「警視!」

麻衣子が署に戻ると、心配して麻衣子の帰りを待っていた部下達が一斉に駆け寄って来た。

麻衣子は何も言わずに自分の席に着いた。

「被害者が一人増えた・・」

「え?」

麻衣子がそう言うと、皆が驚いたように顔を見合わせた。

「いったい・・」

「誰なんですか?」

「沢木麻衣子・・」

「えっ?」

皆の驚きようは半端じゃなかった。

「ちょ、ちょっと待って下さい!沢木麻衣子って・・課長が?」

「ええっ?」

「う、嘘でしょ?」

皆はパニックに陥っていた。

「私よ・・。ヤラれたわ」

「・・」

麻衣子が髪を掻き上げながらボソリと言うと、部屋の中に沈黙が訪れた。









麻衣子は部下の斎藤に被害者の事情聴取を指示した。

今年で28歳になる斎藤は階級が巡査部長だった。

麻衣子の部下として生活安全課に席をおいて1年と少しになる。

麻衣子が最も信頼を置いている部下の一人だった。

そしてまた斎藤も麻衣子を全面的に信頼し、尊敬していたのだった。

加えて、斎藤は麻衣子に好意以上のものを抱いていた。

上司と部下の関係ではあったが、斎藤にとって麻衣子は単なる尊敬出来る上司ではなかった。

一人の女性として、密かに恋心を抱いていたのだ。

勿論、そんな事を麻衣子にも同僚にも話した事はなかった。

あくまで自分の胸の内に大切にしまってあるのだ。

そんな斎藤がよりによって、被害者となった麻衣子の事情聴取を担当する事になった。

さすがに斎藤は心中穏やかではなかった。








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