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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第12章 彼女の真似でもしてくれるの?

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6時に仕事が終わると、篠宮さんに連絡をしてもらい会社を後にする。
40分程して、繁正さんのマンションに着くと、ちょうど繁正さんが出てくるところだった。

「原田さん」
「佐々木さん、お疲れ様」
「おつかです。コレ、仕事用のiPadです」
「わざわざ持ってきてもらってごめんね…どうした?」

iPadを渡す際に繁正さんの右手に釘付けとなった。
ナイフを握って怪我をした手には、包帯で何重にも重ねられている。
指先まで巻かれていて、ペンを持つ事もパソコンで作業も出来ないくらい…

「凄いだろコレ?止血する為にガーゼを何枚も重ねてあるから、手がパンパンなんだ」
「そうなんですか…」
「思ってた以上の大怪我で、自分でもビックリしてる」

繁正さんは平気そうな態度だけど、私はこんな怪我しても平気じゃいられないな…

「ところで舞花ちゃん、この袋は何?」
「え、ああ…」



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