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スパイス
第16章 天然ひまわり
母さんと夏帆さんは外見から見ても全くタイプが異なった。
母さんは女性の割には背も高く、大柄な方だ。
例えるなら、欧米人並にグラマラスな体型。
胸も豊かで日本製のブラジャーではおさまりがつかないくらいの大きさ。
それでいて小顔のキリッとした和風の顔立ちだ。
そのアンバランスな容姿が逆に男受けしてしまうような女だった。
逆に夏帆さんは背もさほど大きくなく、小柄で可愛い感じ。
目鼻立ちはくっきりしていて、南国をイメージするような容姿で夏帆という名が良く似合う人。
親父と並んでいると、夏帆さんの方がしっくりくる。
二人を見ていると、もういい年の中年カップルの癖に初々しくて、逆に息子の俺が照れてしまうくらい、可愛らしく見えた。
それが俺の夏帆さんの第一印象
わざとじゃないんだろうが親父を『聡君』と甘えた声で呼ぶ姿は恋する乙女ちゃん。
それに応えるニヤケ顔の中年おっさん聡君は、いくら世間的にイケメンであっても息子の俺から見ればキモい。
『夏帆さんよ、この親父スマイルに騙されたんだな。
騙されたのなら、永遠に騙されてくれ。
かなり面倒臭い男だけどさ』
と願った。