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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……



悩んでいたことを青木くんの口から聞いてまた涙がじわりと浮かんできて、鼻水まで垂れてきた。

泣き方はまるで幼い子供のようだ。


「スーツで目をこするなって。余計に真っ赤になるぞ。
えーっと、ハンカチは……、くそ、ポケットティッシュしかない……。これでも使って」


「ひっぐ……、ありがと……」


青木くんに渡されたポケットティッシュを一枚取り出してズズズッと鼻水をかんだ。

それでもかみきれなくて私は鼻をすする。


しばらく落ち着くまで青木くんは黙って心配そうに私の顔を覗いていた。



辺りも暗くなって近くの街灯の光が頼りになってきた頃、やっと泣き止むことができた。


「大丈夫か?」


「ごめん……。泣いてちょっとスッキリした……」


渡されたポケットティッシュを握っているけど中身は空になっている。

未使用だったのに全部私が使ってしまった。


「そんなに泣くようなことじゃないだろ?」


「泣くようなことだもん……!だって、彼氏が他の女の家に行って二人きりになったんだよ!?」




「ちょっと待てよ。昨日は葉月の家に行ってねーから」


「へ……?今なんて……」


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