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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……



涙と鼻水のせいで化粧も落ちて誰にも見せたくないけれど、信じられない答えが返っていて俯いていた顔を上げた。


真っ直ぐに視線を向けているから冗談を言っている様子ではない。

でも信じられなくてぽかんとしてしまう。



「だから、葉月のお見舞いに行ってないって言ってるんだ」


「昨日、私と別れた後に歩いて行ったじゃん……」



ツーっと鼻水が垂れてきたけどティッシュがなくなってしまい、上着で擦ろうとすると青木くんがニッと笑いながらスーツの袖で拭ってくれた。


ティッシュとハンカチを家に忘れてきてしまったのも恥ずかしいけど、鼻水を拭かれる方がもっと恥ずかしかった。


「小春が落ち込んでいるような顔をしていたから途中でやめた。その後、穂並さんに電話をして代わりに届けてもらうようにしたんだ」


「穂並さんに……?」


「うん。オレの他に葉月が信頼できる人と言ったら穂並さんかなーって思って。

電話した後に会社の前で穂並さんと会って、葉月に持っていこうとした荷物を渡してオレは家に帰ったんだよ」



「でも昨日は青木くんからLOINEのメッセージがこなかったよ……?」


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