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ベストパートナー
第2章 麻衣子
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 自動車(クルマ)を俺は走らせていた。しかしながら、国道は信号機がたくさんあり、運悪く赤信号に捕まり続けた。やれやれである。


「テルはダメダメだね」


 アルト声の若い女が、冷やかし半分で見ている。
 やや狐目でクセが強い感覚があり、すぅーと高い鼻筋に、ポニーテルの茶髪、そしてどこか上から目線感を漂わせるクソ生意気オーラを醸している。
 体つきは小柄で、肉づきはなかなか良さそう……だが、口が悪い。
 大人に対しての、礼儀を知らないと言うかなんと言うか。
 おそらく、容姿を武器に男を骨抜きにしてるんだろうな。


「テル、あんた良いオッサンだね。思ったよりも、好みだよ。アタシさあバカだから、思ったことはすぐ口にするから褒め言葉ね今のは」


 ニタニタ笑いながら、麻衣子が俺を見た。コイツ世辞も上手い様で、少し嬉しく後は警戒心を持った。


 何も出ないぞ!


 心に俺は刻み込む。
 それくらい麻衣子の口から発した一撃は、強烈に俺を揺さぶった。
 

 国道を抜け郊外に俺は来た。
 ここには俺が気に入った喫茶店がある。始めて利用したのは、一ヶ月前くらいだった。
 桜が三分咲きでこれからが満開になる頃、一人の女と出逢った場所である。
 念のため、その女は……アキだった。


「へえー、似合わないくらい洒落たお店を知ってるんだ」


 麻衣子が驚いている。
 つり上がり気味の目がまん丸くなり、顔全体で驚きを表現していた。
 やけに大袈裟だな。
 まあ、店に入ろうか。


「よし! 入ろう! テルのセンスを見せて貰う」


 ……センスね。
 ……はいはい。


 
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