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ベストパートナー
第2章 麻衣子
 今回はエッチはしない。
 俺はそのつもりだ。
 何故なら麻衣子は若すぎて、手に負えないかもしれない。


「アタシ、早熟なんだあ」

 
 ……無視しよう。
 やれやれ。


 時間を見ると、午後になっていた。
 何時しか長居していた様だ。
 いきなり喫茶店の玄関が空く。


「ごめんなさい! 今からお仕事します!」


 すこぶる可愛い子だ。
 確か、マスターが「葵」と呼んでいた娘さん。
 黒髪ロングヘアーから柑橘系の香りがする。肉付きはムッチリして、深緑色のドレス姿の下に白いブラウスを着ていた。


「あっ! いらっしゃいませ」


 澄んだ声が耳に心地良い。
 

「あの……」


 ん? 後ろを指差ししている。
 振り返ってみる。すると! 麻衣子が俺を睨みつけていた。それも鬼の様な形相で。


「アタシさあ、負けてないけどぉ」


 なんか言ってる。
 しかし気まずいのは、わかる。わかりすぎる。
 俺がマスターに、急いで会計を済ましにいく。すると麻衣子が俺の横に引っ付いて来た。


「アタシ、負けてないけどぉ」


 わかりました。
 わかりましたから。
 麻衣子は可愛い! ムキにならないならない。
 会計を済ます、俺は店の外に出る。


「がんばれー」


 マスターが声をかける。
 ありがとうございました! 普通はこれだろ。
 

 店の外に麻衣子が付いてきた。
 相変わらず、脹れっ面である。かなり嫉妬深いことがわかった。やれやれ……あっそうだ。
 俺はジャケットから封筒を取り出し、取材協力料を渡す。


「ん? あっ」


 脹れっ面の顔が驚いていた。
 中には二人で決めた枚数のお金がある。俺は確かめる様に、麻衣子に言う。
 すると彼女は封筒の中を数え始めた。


「……ありがとう、でも、もう少し欲しい」


 えっ? コイツ! 


「あと大きいの二枚! その代わり、アタシなんでもする……ううん、なんでもします」


 麻衣子が言った。
 声を張り上げる様とした俺は、いきなり黙り込んだ。つまり、これは……誘われた! 


「何突っ立ってんの? 何処かで休もうよ」


 麻衣子が笑顔を見せる。
 それはヘラヘラした笑い顔とは違い、可愛い女の子を醸し出していた。
 ……よし! しよう。
 俺は即決だった。
 





 


 


 
 
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