パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 アキ

　写メの旦那からだが、旦那は極めて独占欲が強いことがわかった。
　アキを包み込むような仕草を自然にしている。
　

　包み込む仕草とは。


　例えば浜辺でじゃれ合う写メがあるのだが、そこにアキが前、旦那が後、そして旦那がアキを後から抱きしめている。
　さらに、春先の写メに旦那とアキが二人並び、旦那がアキの肩に手を回して自分に強く密着させている。


　これを見て俺は、直感が働いた。
　アキが出逢い系に来た理由は、旦那からの解放なんだと。それでいて、別れるつもりは……おそらく、ない。
　別れる別れないは、俺の予想で確信はない。しかし解放は間違いなかった。


「私の夫は、いい人なんです。私を愛してくれます！　ですが、それが重圧（プレッシャー)になってしまい……」


　アキが視線を落とす。
　よくある話だな。しかしよくある話で、済まされないと俺は思う。
　男は浮気性がいいとは言わない。
　浮気性が浮気になり、他の女に手を出し、火遊びとなり巳を滅ぼす。
　だからそれは良くない。
　だけど、独占欲がいい訳でもない。
　俺の持論だが……。


　浮気が人間に生まれる理由は、二つある。
　

　一つは、根っからの碌（ろく)でなし。
　つまりどうしようもない好き者で、結婚はしたがそうなったとしても他を捜すタイプ。ただしパートナーの束縛もしないから、浮気をされたとしても子供を孕まなければ笑って済ます。
　もう一つは、パートナーの独占欲が激しいパートナー。
　愛しているが故にその行動に逐一目を光らせ、ストーカーとまではエスカレートしないが、かなり束縛をする。大切な存在を守るが故とは言え、守られる側は窮屈でありストレスが溜まる。