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ベストパートナー
第1章 アキ
 もう一度言うが、あくまでも俺の持論である
 違うと一蹴しても、別に構わない。


「あの……煙草吸いたいです」


 アキが言った。
 つまり「ここを出よう」と、促している。
 俺は頷き、アキの目を見た。


「はい! 私もそのつもりで、誘いに乗りました」


 アキの目に覚悟を見た。
 覚悟……俺で妥協した覚悟か? それとも、仮初めの解放への覚悟か? 
 おそらく二つだな。
 俺はアキの明細を手にすると、ホテルを指定した。


「わかりました! ではそこで待っています。お先に失礼します」


 アキが頭を下げムッチリとした肉付きがコートに隠され、足早にカフェを後にした。
 俺が会計をする。


「いいですなあ」


 マスターがニタニタしている。
 俺は少しムッとした。


「若いうちにいろいろ経験しないと」


 マスターがニコリと笑った。
 その笑顔は心に刺さり、熱くなりかけた俺の感情が静まっていく。
 するとカフェに一人の女が入ってきた。
 すこぶる可愛い女で、俺はゴクリと唾を飲む。


「アハハ……早く行ってあげなさい。葵、大丈夫だった?」
「はい!」


 二人の会話を聞きながら俺はアキを追うために、カフェを出ていく。
 自動車(クルマ)に乗り込むと、すぐにアキを追いかけた。
 
 
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