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ベストパートナー
第3章 ヒトミ
 俺は女の前に回る。
 やはり先ほどの、ムカつく女だ。


「な、何ですか? 私、大声上げるけどいい?」


 たじろぎながらも、威勢のいい女に俺はスマホを見せた。
 そしてメール内容を見せつける。


「……え? は、はい?」


 女の目が開く。
 この女、間違いないヒトミだ。


「うっ、嘘ぉー! イヤー!」


 俺はいきなり、ビンタされた。
 強烈な一撃に、意識がとぶ。
 

「ご、ごめんなさい! テルさん」


 女が声をかけてきた。
 この瞬間、間違いないなくヒトミと判明したが……強烈な一撃だなあ。


「でも、えっ、えっ、えええー!!!」


 あまりの大声に、他の利用者と体育館関係者がこちらを見ている。


「あっ、ごめんなさい! 何でもありませんから」


 ヒトミが周りに頭を下げている。それにつられ、何故か俺も頭を下げていた。
 なんで? いや、どうでもいい。
 どうでもいいけど……なんで?


 訳のわからない心に、俺は呆気にとられていた。


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