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咲の旅物語
第16章 王都 ルアール
少年の言う鉱山は、ルアールから北に少し行くと見える荒廃した山にある。

山の麓に転移した二人は、不可視の魔法をかけ別々に調査することにした。

ディラは咲と別れ、発掘現場に来ていた。

「古いな…」

発掘現場は酷い状態だった。
昔は盛んに発掘されていただろうが、今の状態は『発掘跡地』という感じで寂れている。
落石などを防ぐよう、木材で補強しているのだがそれすら所々腐っている。

薄暗い坑道を進んで行くと、最奥だろう場所から甲高い声が聞こえてくる。

「おら!動けっ!ほらっ」

バシッ

ビシッ

声と共に打撃音とうめき声も聞こえる。

ディラはそっと覗いてみると、そこには身なりのいい数人の男と町であった少年ぐらいの子供達数人がいた。

中には少女もいるようだが、みな一様に痩せ細り傷だらけ泥だらけという状態だった。

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