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咲の旅物語
第7章 湖の神殿
祭壇で少年に小刀が突き立てられそうになってから

私は深い闇にいた。

目の前に次々と今まで犠牲になったであろう人々が現れては、小刀を突き立てられ苦痛に満ちた表情をして闇に囚われ消える。

頭が痛い。吐き気がする。

気がつくと大量の涙が、頬を濡らしていた。

―いや。もうやめて

声にならない。
止めてほしいのにそれは止まらない。

ある映像で闇に囚われた少女が消えず、呪いに身体を蝕まれた。
可愛らしい体から無数の手が皮膚を突き破り血飛沫を散らしながら生えてくる。

酷いことに少女の意識は、あるようで自分から生える手の恐怖と激痛に悲鳴をあげている。

遂には、少女の口から頭であろう物がゾロリと出てくる。
少女の頭が、ゴトリと落ちた。

―なんて酷いことを

人々は、少女から出た物を神と崇める。

神と言うには、禍々しいそれは一度大きく口を開けるとどす黒い何かを大量に吐き出す。

それは、集まった人々に吸い込まれた。

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