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咲の旅物語
第7章 湖の神殿
魔力を吸いとって出てきた黒い物は、また本体へと戻りそのまま扉の向こうに消えていった。
最悪だった。

神の礼拝式とは、呪いにより禍神へ力を与える儀式だった。

集まった人々は、魔力を吸われ気絶している。

中には命を失っている者も居るようだ。

―禍神…。
世界を混沌へと陥れる神。
なんて事を…

禍神の影響は、負の感情を持った者から影響が出やすい。

長年虐げられ続け、負の感情が強い獣人の里の病は此が原因なのかも知れない。

もう咲は身体に力が入らなかった。
ただただ涙を流し、座り込んでいた。
怒りで頭がくらくらする。

突如強い光が真っ黒な闇を照らした。
眩しさで目を瞑る。

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