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約束 ~禁断の恋人~
第3章 倒錯
「何で? 恋人同士は、セックスするんだろ? オレは、トモの恋人なんだろ?」
「違うんだ……。ごめん……」
膝の上で組んだ指先が震えている。自分勝手なのも分かっていた。
カイとしての命を与えたのは僕。
愛して欲しいと言ったのも、セックスを教えたのも全て僕……。
「トモは、オレを愛してるんじゃないの?」
「違、う……。君はフィーアで、僕はDr.なんだ。ただ、それだけなんだ……」
深い理由を説明しても、カイには理解出来ないだろう。でも、今までを無かったことにするのは、彼には簡単なはずだ。
彼は“Z”。それは、初めから分かっていたはずなのに。
いくら僕が愛しても、彼は愛情を持って僕を抱いていたわけじゃない。
Dr.である僕に絶対服従を守り、学習としてセックスをしていただけ。
彼に“感情”は無い。
「分かった。Dr.トモ」
あまり抑揚の無い口調はいつも通りなのに、それが妙に空しくて、胸に突き刺さる感じだった。