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結婚式前夜
第1章 麗子さんとぼく
でも、ぼくは……興奮してはいなかった。
何かが、しっくりこない。
ただ物理的な刺激だけが、ぼくのペニスを勃起させているだけだ。
彼女は肛門を舐めるのと、ペニスをしごくのを止めた。
ぼくは自分の股をのぞき込んだ。
彼女は今度はぼくの脚の間に、頭を滑り込ませてきた。
仰向けにだ。
ぼくの太ももに手を掛けた。
ぼくの陰嚢に真下から舌を伸ばした。
彼女の舌先が陰嚢に触れた。
皮膚に触れるか触れないか接触を保ち、舌先が動く。
それが、またぼくを痙攣させた。
それにつられ、ペニスも、ぴくぴくと、跳ねる。
舌が陰嚢から前に向かって進んできた。
棒の根元を通り、裏の筋に沿って先端まで滑ってきた。
ぼくの先端のくびれ、裏側の皮が細く引きつったところを、何度か舐め上げる。
そして、舌の代わりに唇が先端に押し当てられた。
彼女がぼくの先端をくわえた。
口に含んだまま、何度か顔を前後に動かしましたが、口を離すと、ぼくに言いった。
「もっと、腰を下ろしてっ!」
ぼくは、麗子さんがくわえやすいように腰を下ろした。
彼女はまた首を前後に振って、唇でペニスをしごき始めた。
首をもたげ、何度も首を縦に振る。
「んぐっ……んんっ……はうっ」
両手の指先がぼくの乳首を捜し当てる。
指先でつまみ、わずかにねじられる。
じゅぼ、じゅぼ、と唾液と空気が混ざる音が聞こえる。
突然、彼女がペニスを離した。
「ああっ、だめっ、もう欲しいわっ!」
彼女はぼくを下から押し上げ、仰向けに転がした。
ぼくの上に片膝を付いて跨った。
ペニスを掴むと、自分の開いた脚の中心に当てた。
腰を落としてくる。
ぼくは、驚いた。
まだ、コンドームを付けていないからだ。
いつも彼女の中に入るときは、コンドームを付けるのが“決まり”だ。
そして、その作業は彼女の役目だった。
彼女が自分でそうするように決めたのだ。
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