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大人遊び
第30章 choice A 恋慕
大人になるとストレートな告白をされる機会って減ると思う。

だからなのか、「彼女になって」とはっきりとした関係を求める彼からの言葉がとっても嬉しかった。

「うん。…彼女になる、啓介さんの彼女にして?」

そう答えるとまわされた腕にギュッと力が込められて、視線が重なる。

あっ……キスされる?

ドキドキしながら待ってみたけど、彼はニコッと頷いて一言、

「酔ってて覚えてないは無しだよ。」

とだけ言って腕の力を緩めた。しないんだ…残念(笑)。

お店を後にして外に出ると夜も更けたせいか、少しヒンヤリとした空気が火照った頬を程よく冷やす。

だけど、繋がれている手はとっても温かくて、ドキドキが止まらなかった。

金曜日の街はこの時間でもまだまだ賑やかで、もうバイバイかと名残惜しさを感じてると彼が耳元で囁く。

「ねぇ、帰るなんて言わないよね?」

「え?」

「てか、今日は帰さないから。」

そういうと繋いだ手をギュッと握りなおし、スマートにタクシーを止めた。
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