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第30章 choice A 恋慕

こんなに求めあうようなキスをしたのはいつぶりだろう。

「ﾊｧ…んっ、ﾁｭ、ｸﾁｭ…んんっ、啓介…さん、ﾁｭｩ…んっ。」

散々口内をいじめられた後で、絡められていた舌がほどける。舌先を軽く吸い、唇を甘噛みするように挟んで、舐め上げ、離れていく彼の唇。

激しいキスに呼吸は乱れ息も苦しいのに、自分でも驚くほど身体が疼いていて離れた唇が名残惜しい。

「…ねぇ？」

「ん？」

「…もっとして欲しい。」

そう素直に告げると彼は驚いた表情をして、顔を赤く染めた。

「…俺もだよ。もっとしたい。」

彼からの返事に喜び、求めるように目を瞑る。

「でも、続きはベッドでね。」

「きゃぁ…！！」

キスはお預け、フワッと抱き抱えられ、履いていたパンプスがコツンと床へ落とされた。

「やだ、重いー、降ろして！！」

「ハハっ、文、このまま玄関でしたいの？意外と大胆だね(笑)」

「違っ////もう…いじわる///」

「おとなしく、捕まってな？」

そのままベッドへと運ばれた。