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わがままな氷上の貴公子
第12章  開宴


 お決まりのテレビ出演や、雑誌の取材。今回はCM撮影まで。
 一週間ほど、多忙な日々が続いた。
 それも、オリンピック選手となれば悪くない。
 勿論、合間に練習だってあった。
 やっと二日間だけ完全な休み。和子さんは前日から料理の仕込みに精を出していた。
 今日は、オレと千絵のためのささやかなパーティー。
 珍しく、潤はどこかへ出かけている。
 優勝した日にオレが家へ戻った玄関で、潤に羽交い絞め……抱きしめられた。
 疲れていたから、またいつもの遣り取り。
 いたのは和子さんだけだから、もう見られてもよかったが。
 その夜あいつに襲われた……抱かれたのは言うまでもない。
「悠斗。もうすぐ千絵ちゃん達が来るんでしょう?」
 母親は、何とか時間を作って帰宅してくれた。数時間しかいられないが、会えるのは嬉しい。
「『おうじさま』になりたいって約束。守ってくれたのよね……」
 そう言われると、恥ずかしくなる。
 別に約束だとは思っていなかった。
 でも、ただの子供の戯言を覚えていてくれたのは嬉しい。
「いつかは、世界一の『おうじさま』かしら?」
「それは無理だよ」
 そう口にはしたが、狙ってはいる。
 この前はミスがあったが、そこを修正してもう少し全体の完成度を上げれば。
「千絵ちゃんと塔子ちゃんがいらっしゃいましたよ」
 インターフォンに出た和子さんに言われ、迎えに出てやった。
「悠斗っ。おめでとう!」
「悠斗くん。おめでとうございます」
「千絵。お前だって同じだろ?」
 笑い合いながら、二人をリビングへ招く。
「あっ。悠斗ママー。お久し振りですー」
 千絵は子供の頃から一緒だから、ずっと“悠斗ママ”と呼んでいる。
「千絵ちゃんの活躍も、テレビで観てたわよ。おめでとう」
「ありがとうございます!」
 和子さんに促されてソファーに座った二人は、塔子と母親が挨拶をしていた。
「悠斗くんて、お母さん似なんですね。綺麗な所とか……」
 母親は喜んで会話は弾んでいるが、潤がまだ戻らない。
 あいつは大学の冬休みだから、朝からずっとウチにいたのに。


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