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わがままな氷上の貴公子
第12章 開宴
「悠ちゃん。お風呂入ろう?」
「入れば?」
「冷たいなあ」
無駄な抵抗は諦め、抱きかかえられて風呂場へ運ばれた。
服を脱がされ、自分から浴室へ行く。
潤に手荒くされるよりはマシだと思い、シャワーも自分で浴びた。
優しくしているつもりだと分かっていても、もっと丁寧に扱って欲しい。
“取扱注意”って紙でも貼っておけばいいのか?
「悠ちゃん?」
「部屋、行ってる……」
取り敢えず、髪は乾かしたい。
浴槽に浸かっている潤を残し、全裸のまま部屋へ行った。
部屋でパジャマを着て、ドライヤーを使う。
濡れたまま寝たら、自慢の髪が痛む。大会の時髪がなびくのを計算して、長めにカットしているんだから。
そんな演出も、演技の1つだ。
ドライヤーを置いた時、大きなノックの音。
「悠ちゃん!」
ノックと同時に入ってくるのは、もう慣れた。
でも……。
全裸の上、もう……。
勃たせるなっ!
「悠ちゃん。何でパジャマ着ちゃったの? あっ、脱がされる方が好き?」
「馬鹿っ!」
全裸で待ってたら、オレもソノ気みたいじゃないか。
ソノ気だけどな……。
またお決まりの、抱きかかえからベッド落し……。
違う技はないのかよっ!
でもまあ。これから使うのは、ベッドだよな……。
「んっ……」
すぐにキスされて、舌が挿いってくる。
その熱に、目を閉じた。
舌を絡めながら、パジャマを脱がされていく。
それを自然と手伝っていた。
風呂上りのせいで、潤の体がいつもより熱い。
「はぁっ……」
逞しい背中に腕を回し、お互いの存在を確かめ合うように舌を絡め続ける。
潤の塊が脚に当たっているのにも、昂められてしまう。
「んんっ……」
「悠ちゃん……」
唇が離れたのを、切なく感じた。
でもすぐに耳元を舌が這い、軽く吸われるように愛撫される。
「あっ……」
ゆっくりと首すじを降りる時も、軽く吸われながら。
胸に辿り着くと、跡を残すように何度も強く吸われた。
人に見えない場所なら構わない。
オレと潤だけの、秘密のようで……。
今は、ずっと消えなければいいのにとさえ思ってしまう。