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光を求めて
第5章 初恋

「やっぱり彩羽とのキスはいいね。僕をその気にさせるよ」

その一言で十分だった。
私だけに感じて私だけを思っていてくれれば離れていても大丈夫だと信じられた。
だけど何か形が欲しくて、卒業するまではと言われていたことをおねだりする。

「いいよ。しよう?卒業すれば高校生だから……いいよね?」

女の子からこんなことを言うのはどうかとも思ったけど、このまま雅也に抱かれたいから自分から言葉にした。
だけど雅也からの返答は変わらず高校生になるまで待とうという返事だった。

「彩羽が嫌だとかじゃないからね。僕も早く彩羽を抱きたいよ。身体もすべて僕のモノにしたいと思ってる。だけど勢いとかで抱きたくないんだ。彩羽のはじめてはもっと大事にしたいんだよ。とても大切に思ってるから、思い出に残るような。だからもう少し待ってほしい。彩羽の事大事だから簡単に終わらせたくないんだ」

何度も大切だからと言ってくれる言葉に、雅也の大切にしたいと思う気持ちが伝わり待つことにした。
だけど、いつものような甘い時間はふたりの間に流れてお互いを愛し合う。
身体が繋がることがなくても心が繋がっていれば、それだけで幸せだった。


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