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光を求めて
第22章 光に向かって
私は、ずっと誰かに守られ愛されてきた。
愛されていないと思っていたのは私だけで、そこにはちゃんと愛情は存在した。
それは目に見えなくて、分かりづらい愛だったのかもしれない。
それでも、私はこの背中を見せる人たちに愛され続けてきた。
きっとこれからも私は愛され続けるに違いない。

「彩羽!さっさと来なさい!」

父が振り返り、昔と変わらない口調で私を呼ぶ。
以前だったら機嫌が悪いと愛情を感じる事が出来なかったけど今は違う。
私がちゃんと来ているか確認して声をかけてくれているのだと分かる。
それが父の愛情。
分かりづらいけど、昔から私に向けていた父の愛情だった。

「は~い!今行きます」

私は元気に返事をしてみんなの元にゆっくりと歩く。
その一歩が未来に広がる。
暗かった私の青春時代。
雅也に裏切られ、知らない男たちと身体を重ね合わせた日々。
そんな私に明るい未来があるなんて考えもしなかった。
どんなにもがき苦しんでも光は見えてこないのだと諦めていた。

「大丈夫か?」

「うん。大丈夫」

気遣ってくれる優に笑顔を見せれば、優も笑顔を見せてくれる。
その腕の中には私と優、そして楓ちゃんの命を引き継いだ彩楓が笑っていた。
そのふたりの笑顔が私に明るい光を運んできてくれた。
そこから広がる光の輪。
その光を全身に受け止めて私は生きていく。
楓ちゃんの分まで……





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