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光を求めて
第7章 忌まわしい過去
そのままベッドの中に潜り込み堅く瞼を閉じ自分を罵倒する。
たった一言なのに言えない自分が悔しかった。
たった一言、帰って、出て行ってと言えない自分が悔しかった。
それ以上に……雅也を見てドキドキしている自分が腹立たしかった。
あれほどまでに憎んでいたはずなのに、あの笑顔を見せられると全てを忘れてしまいそうになる。
そんな事を考えながら寝付けないでいると、扉が開く音が響き、そのまま眠ったフリを続けた。
少しすればベッドが少し沈み、雅也の手が優しく髪の毛を撫でてくる。
そして、昔のように首筋に流れて肌を触る仕草に息苦しくなる。

「彩羽……」

優しく名前を呼ぶと一言だけ残して彼は部屋を出て行った。
その言葉は何を意味するのか分からない。
私を裏切ったことに対する言葉なのか、それともこんな私にしてしまった言葉なのか、それとも再会した言葉なのか……
彼は寂しそうにこう言った。




「ごめんね、彩羽」



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