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光を求めて
第8章 知らないこと
「じゃあ、おやすみ」
「うん。おやすみ」
23時を過ぎた頃に寝るのも毎日のこと。
雅也にお休みの挨拶をしてベッドにもぐりこめばすぐにでも眠気が襲ってきて眠りに落ちていった。
眠っていると人が部屋に入ってくる気配がして目を覚ます。
ギシリとベッドが軋み、雅也の手が私の髪を撫でて首筋にスライドする。
「彩羽……」
いつも夜中になるとこうやって私を撫でて切なそうに名前を呼ぶ。
何度か私の髪の毛と頬と首筋を撫でて、最後には決まってこう言葉をかけて出ていく。
「彩羽……ごめんね。辛い思いをさせてごめん」