この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
光を求めて
第8章 知らないこと
それでも、好きだったら言葉で伝えてほしいと思う。
昔、雅也が私に言っていてくれたように、好きだよと……愛しているよ……と言葉にしてほしい。
「雅也は言わないの?今の話だと、言わなくても分かれよってタイプ?」
「どうだろうね。恋愛なんてほとんどしてこなかったから……人に好きだと言ったことはほとんどないかな?」
私の少し前を歩く雅也がどんな表情をしているのか分からない。
だけど、その言葉の意味を考えるとうれしくなった。
私以外の人に好きだと、愛していると言うことがほとんどなかったのだと思うと、喜ぶ私がいた。
「じゃあ雅也もずっとひとりだったの?」
そうだよと言ってくれるのを期待してドキドキしながら聞いた。
雅也はゆっくりと振り向いたけど、逆光でどんな表情をしているのかわからない。
「そうだね。誰も好きにならずにここまで来たかな」
その言葉をどんな気持ちで言ったのか分からない。
いまだに雅也の中に私がいるんじゃないかと思いながら、それを聞く事ができなかった。
それから軽く食事をしてから家に戻ると、いつもと同じゆったりとした時間が流れた。
言葉にしなくても苦痛ではない時間。
それが心地よくて、いつの間にか当たり前になっていた。
昔、雅也が私に言っていてくれたように、好きだよと……愛しているよ……と言葉にしてほしい。
「雅也は言わないの?今の話だと、言わなくても分かれよってタイプ?」
「どうだろうね。恋愛なんてほとんどしてこなかったから……人に好きだと言ったことはほとんどないかな?」
私の少し前を歩く雅也がどんな表情をしているのか分からない。
だけど、その言葉の意味を考えるとうれしくなった。
私以外の人に好きだと、愛していると言うことがほとんどなかったのだと思うと、喜ぶ私がいた。
「じゃあ雅也もずっとひとりだったの?」
そうだよと言ってくれるのを期待してドキドキしながら聞いた。
雅也はゆっくりと振り向いたけど、逆光でどんな表情をしているのかわからない。
「そうだね。誰も好きにならずにここまで来たかな」
その言葉をどんな気持ちで言ったのか分からない。
いまだに雅也の中に私がいるんじゃないかと思いながら、それを聞く事ができなかった。
それから軽く食事をしてから家に戻ると、いつもと同じゆったりとした時間が流れた。
言葉にしなくても苦痛ではない時間。
それが心地よくて、いつの間にか当たり前になっていた。