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光を求めて
第9章 昔のように
映画を見に行って1週間が経った頃、雅也の言うとおり須藤コーポレーションの合併が大々的に発表された。
それと同時に緊急記者会見が行われ、どこのチャンネルも会場を映し出し、TV画面の向こうには私が良く知っているおじ様が心痛な面持ちで映し出されていた。
雅也と違って背が低くて小太りの優しそうな感じの人だったのに、TV画面の中のおじ様は痩せこけていてその頃の面影がない。
体調を崩しているとは聞いていたけど、見た目が変わるほどとは思ってもいなくて、顔色も悪いおじ様が心配になる。
そんなおじ様が最後に深々と頭を下げているのを見て心が痛む。
絶対的にあり続けると思っていたものがなくなってしまう感覚は、雅也を失った時と同じようで辛かった。
だけど私より辛いのは雅也。
記者会見が始まって、画面を食い入るように見つめている表情は目を背けたくなるほどで、どうにかしてあげたいと思いながら何もできない私は、雅也の隣に座っている事しかできなかった。
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